大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和38年(オ)1380号 判決

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人山辺則政の上告理由第一点および第二点(一)について。

原判決の引用する第一審判決は、挙示の証拠に基づいて認定した諸事情から、上告人と難波澄雄が共同で債務を負担した際、被上告人との間に連帯とする暗黙の特約があつたことを認めている趣旨と解せられ、該事実上の判断は当裁判所も正当として是認しうる。原判決の引用する第一審判決は言葉の足りない嫌はあるが、右瑕疵は結論を左右するものではなく、論旨は採用することができない。

同第二点(二)について。

日本勧業経済会が上告人の本件債務を免責的に引受けた事実は認められない旨の原判決の引用する第一審判決の事実上の判断は、その認定した事実関係に照らして肯認しえなくはない。論旨は、原審の専権に属する事実認定を非難するに帰し、採用しえない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 柏原語六 裁判官 五鬼上堅磐 裁判官 横田正俊 裁判官 田中二郎)

《当事者》

上告人 鈴木良夫

右訴訟代理人弁護士 山辺則政

被上告人 白石くに

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例